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卒論執筆の必需品


このページには、以下のリンクがあります。
  • 研究ネタ集めに使えるサイト
  • 「卒業論文指導願」 ← new!
  • 学術論文を探すためのデータベース
  • ファイルのバックアップ
  • コーパス/テキストデータベース
  • 青空文庫をコーパスとして利用する
  • ソフトウェア (コーパス用)
  • ソフトウェア (ユーティリティ)
  • 研究機関・統計など
  • 書籍など


研究ネタ集めに使えるサイト
国語に関する世論調査 「大学生の7割が誤用!」などの見出しで、たまに報道されるあの調査です。ただ見て「へぇ〜」と思うのではなく、主体的に考えてみて下さい。例えば、「どうしてこういう間違いをするのだろう」とか、「どうしてこんな言葉遣いが増えた(好まれる)のだろう」とか。問題は人から与えられるものではなく、自分で探す物です。「指示待ち人間」なる言葉がありますが、待っているだけでな何も生まれません。自主的に考える癖をつけましょう。そうすれば、きっと卒論のネタも見つかります。

よくある「ことば」の質問 国立国語研究所が開設しているHPです。

NHK放送文化研究所 メニューの「ことば」のページに行くと、日本語に関する知識が豊富に掲載されています。「研究論文・報告」、「放送用語委員会」、「最近気になる放送用語」など多数のコーナーがあります。下手な新書を買って読むより、遙かに面白くてためになりますよ。

にほんご学習帳 テレビ朝日さんが解説しているサイトです。「ことばメモ」や「言葉の現場検証」、「日本語研究室」「日本語どらのアナ」など、日本語に関する情報がたくさんあります。

新・ことば事情  読売テレビ元アナウンサーの道浦俊彦さんによる、ことばに関するブログです。以前お書きになっていたのは「平成ことば事情」です。

ronbun yomu 自身が読んだ論文の要約や疑問点について、ある方がまとめているサイトです。主に日本語史系の論文が多いですが、現代語に関するものもたくさんあります。こういったレビューを読んで興味をもったものを読んでみるというのもアリですよ。
   
 「卒業論文指導願」
「卒業論文指導願」 (pdf)
  ※日本文学科専用
 2019年度より、書式が変更になりました。A4版ですから、おそらくどのプリンタでも印刷することが可能です。提出先は、用紙の中に書いてあります。提出期限は、6月の第一月曜日、13時までです。それ以前に研究室に持参し、教員の承認(および捺印)を受けて下さい。内容によっては承認出来ない場合もあるので、〆切ギリギリに来室するのは避けましょう。
 学術論文データベース

日本語研究・日本語教育研究文献データベース

(国立国語研究所)


 
左のタイトルを見れば、もう説明は不要でしょう。


NDL-OPAC
(国立国会図書館)


 図書だけでなく、雑誌や雑誌記事なども検索できます。詳しく検索したい場合は、「詳細検索」をオンにしてください。
J-Stage
(国立研究開発法人 科学技術振興機構)


 日本語の科学技術情報の電子出版を推進するために設立されましたが、既存の学術雑誌のデータベース化も行われています。CiNiiみたいなものです。
MAGAZINEPLUS
(マガジンプラス)


必須
使い方はこちら
キーワードで、学術雑誌に掲載された論文や雑誌記事を検索することができます。大学図書館のページから「オンラインデータベース」へ入り、和文雑誌コーナーを探して下さい。
関係ありそうな論文や記事が見つかったら、それらが収録されている雑誌名をメモして、それが図書館に所蔵されているか図書館のOPACで調べてみましょう。所蔵されていなければ、実費が必要になりますが、図書館カウンターで複写依頼を出すことができます。(※ただし学内LANからのアクセスのみ。自宅からはできません。それでもデータ量は膨大なので、必ずこれとCiNiiと両方で検索して下さい。) 


※注意
文献を探す時は、1つのキーワード(例えば「若者ことば」)だけで調べて、「ちぇっ、全然文献無いよ」と諦めるのではなく、考えられる限りのキーワードをスペースで区切って複合検索して下さい。例えば、「言葉 変化」、「日本語 変化」、「変わる 日本語」、「変わった 日本語」、「変な日本語」、「最近 気になる 日本語」、「若者 特徴 日本語」、、、、など他にも色々あるはずです。厳しいことを言うようですが、たった1つのキーワードを調べただけで、「探したけど、ありませんでした」と簡単に言うような人は、意欲が低い/言い訳ばかりする/不真面目な/発想が貧困な/情報収集能力の低い/使えない人間、と思われてしまうかもしれません。見つからなければ、「やり方を変えて、再度チャレンジしよう!」という意欲の持ち主でなければ、企業側も採用したがらないでしょう。ましてや、若い頃からケータイでネットやるのが常識という世代にあって、はっきり言って情報弱者と見なされます。とにかく、簡単に諦めないで、徹底的に探しましょう。



CiNii
(サイニー)


必須
使い方はこちら
キーワードで、論文を検索することができます。オンラインでその論文が読める場合もありますが、著作権の都合上、商用雑誌の記事は登録されていませんし、学術論文もそれほど多く登録されているわけではありません。ですから、MAGAZINEPLUSで先に調べ、そこで「ヒットした論文がオンラインで読めないかな?」というくらいの気持ちで検索して下さい。各大学で発行している紀要などは、非商用の学術雑誌なので、ヒットする確率が高いですよ。オンラインで読めない場合は、その論文を収録した雑誌が図書館に所蔵されていないかOPACで検索しましょう。所蔵されていない場合は、図書館の受付カウンターで複写依頼を出しましょう。コピー&郵送代金は実費が必要ですが、そんなに高くはないはずです。そもそも、文献が読めないよりはいいですよね。
※注意: 上と同じ注意です。


Google Books

必須

検索サイトGoogleがやっている書籍検索サービス。普通、本の検索といったら書籍タイトルや著者名でしか行えませんが、なんとこのサイトでは本の中身(つまり文章)を検索対象にしているんです! これは画期的な事です! 勿論、著作権の問題があるので、全ページが閲覧できるわけではありませんし、登録されている書籍も限られています。だが、しかし、でも、一部分だけとはいえ、本の中身が検索できるなんて夢のようではありませんかっ! 調べたいキーワードで検索し、もし本がヒットしたら、図書館に行って借りればいいんです!(図書館でこそ、こういうサービスは導入してほしいものですね。)


言葉に関する新聞記事データベース 国立国語研究所が1949年から1998年までの新聞記事で、ことばに関するものだけを集めたデータベースです。キーワード(例えば「流行」、「若者」、「変わる」」、「教育」など)で検索できますが、WEB版では記事本文を読むことはできません。有償版DVD-ROM(日文科の研究室にあります)ならば、記事の画像データを閲覧することができます。目録(見出しデータ)は約105,000件,記事本文(切り抜きイメージ)は約72,000件です。
※注意: 上と同じ注意です。


 ファイルのバックアップ
Dropboxは、オンライン上にファイルを自動保存できるサービスです。有料プランもありますが、2GBまで使える無料プランで十分でしょう。専用ソフトをインストールすると、マイドキュメントの中に My Dropbox というフォルダが生成されます。そのフォルダの中に入っているファイルは、自動的にオンライン上にアップロードされ(つまり保存され)ます。ですから、卒論などの重要なファイルは最初からこのフォルダの中に(卒論フォルダを作って、その中に)入れておくことをお勧めします。そうすれば、いちいちUSBメモリに保存する手間がいらない上、USBメモリのエラーや紛失という危険もありません。2010年度の尾谷ゼミでは、20数名のうち2人がファイルを壊してしまいました。2人とも提出締切目前にでした。ぜひ卒論ファイルのバックアップをとっておきましょう!2台のPCで My Dropbox フォルダを自動同期させることも可能ですし、共有フォルダを作っておけば友人とファイルを共有することもできます。iPhoneアプリもあるので、電車で移動中に、保存した書類の確認ができます。メールアドレスほかわずかなキホン情報を入力するだけで、カンタンにユーザー登録ができます。ページ右に Create Account(アカウントを作成する)という青いボタンがあります。名前、メールアドレス、好きなパスワードを入力して、ボタンを押せば登録できます。



 コーパス/テキストデータベース

現代日本語書き言葉均衡コーパス (BCCWJ)
オンライン利用、無料

検索ページは以下の2種類
「少納言」
  (登録不要。簡易検索のみ)
「中納言」
  (要登録。詳細検索可)


『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ:Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)のデータを検索できます。BCCWJには、現代の日本語の書き言葉の全体像を把握できるように集められたサンプルが以下の11種のデータから合計約1億480万語収録されています(2011年3月現在)。サンプルは、それぞれ無作為抽出によって抜き出されます。
 ・ 書籍 (
1971-2005年、21,943件、約6,230万語) ←現代語の変遷
 ・ 雑誌 (2001-2005年、1,989件、約440万語)
 ・ 新聞 (2001-2005年、1,479件、約140万語)
 ・ 白書 (1976-2005年、1,500件、約490万語)
 ・ 教科書 (2005-2007年、412件、約90万語)
 ・ 広報紙 (2008年、354件、約400万語)
 ・ Yahoo!知恵袋 (2005年、91,445件、約1,030万語) ←口語に近い
 ・ Yahoo!ブログ (2008年、52,680件、約1,030万語) ←口語に近い
 ・ 韻文 (1980-2005年、253件、約20万語)
 ・ 法律 (1976-2005年、346件、約100万語)
 ・ 国会会議録 (
1976-2005年、159件、約510万語) ←現代語の変遷

卒論でしっかりと研究したい人は、「少納言」ではなく、
「中納言」の利用申請を行って下さい。


日本語歴史コーパス
※現在は、上記の「中納言」に組み込まれたため、「中納言」に要登録。
奈良時代〜大正までの様々なテキストを集めたコーパス。近代語については、当時発行されていた雑誌『太陽』『明六雑誌』『国民之友』『女学雑誌』『女学世界』『婦人倶楽部』などのデータが収録されている。


名大会話コーパス
※現在は、上記の「中納言」に組み込まれたため、「中納言」に要登録。
科学研究費基盤研究(B)(2) 「日本語学習辞書編纂に向けた電子化コーパス利用によるコロケーション研究」(平成13年度〜15年度)により作成された会話データベースで、約100時間分の雑談を文字化しています。


NINJAL-LWP for BCCWJ
オンライン利用
(登録不要)
国立国語研究所(NINJAL)が構築した『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)のためのオンライン検索システムです。上で紹介した「少納言」や「中納言」とは異なり、名詞や動詞の共起関係を検索することに特化した検索システムです。同ページに「使い方」や「操作説明書を開く」というリンクがありますので、詳細はそちらを参照。検索をする場合は、「検索を開始する」をクリック。


NINJAL-LWP for TWC(NLT)
オンライン利用

(登録不要)
日本語のウェブサイトから訳11億語を収集して筑波大学が構築した『筑波ウェブコーパス』(TWC)を検索するためのサイトです。主に内容語(動詞や名詞など)の共起関係などを検索でき、上記のNINJAL-LWP for BCCWJと同じ方法で検索できます。


国会議事録検索システム
オンライン利用
(登録不要)
第1回国会(1947年5月開会)以降の本会議、全ての委員会の議事録を検索できるテキスト・データベースす。言語研究用のコーパスではないため、検索結果を容易に保存できませんが、キチョウは口語資料です。もちろん、ああいう場での発言ですから、純粋な口語とは言い切れませんが、それでも収録されている言語データは膨大ですし、期間も長いため経年変化を見るには便利です。特定の表現の頻度調査だけでなく、意味・用法の変遷を調べることにも応用できます。また、談話分析にも応用できるかもしれませんよ。姉妹版として「帝国議会会議録検索システム」というのがあり、そちらへのリンクもあります。


国語研日本語ウェブコーパス
オンライン利用

一般公開版は、登録不要
高機能版は、要登録
WEB上の日本語を258億語ほど集めたコーパス。2014年の10〜12月に、8300万ものWEBページから収集。検索はWEB上で、「梵天」という検索系を用いて行う。一般公開版での簡易検索もできますが、できれば利用登録をして高機能版を使ってほしいところです。
(2014年に収集したということは、その時にその表現がWEB上に存在していたというだけであり、全ての表現が2014年に生み出されたわけではないことに注意してください。使用年を知りたければ、そのWEBページの作成日を、自分の目で確認してください。)
 


新潮文庫の100冊
CDーROM (要購入)
小説100冊が納められたCD-ROMです。純粋なコーパスではありませんが、文字列検索機能がついているので、小説の本文の中から特定の文字列(つまり表現)を検索できます。私はこれを使って修士論文のデータを採取しました。同じシリーズで『新潮文庫 明治の文豪』、『新潮文庫 大正の文豪』、 『新潮文庫の絶版100冊』などがあります。しかし、以下に紹介している「青空文庫」に行けば、版権の切れた小説テキストデータがありますので、卒論のためだけであれば、買う必要はないですね。


コーパス日本語のための情報館 李在鎬氏の個人サイト。コーパスに関して簡単に解説してある上、様々なコーパスツールも網羅している。日本語学習者コーパスについての情報も豊富。



青空文庫をコーパスとして利用しよう
青空文庫 主に著作権が消滅した小説などがアップロードされています。いろいろなファイル形式でアップされていますが、テキスト形式のものを自分のパソコンにダウンロードしておけば、上で紹介しているKWICソフトを使って文字列検索することができます。ただし、1つ注意が必要です。テキスト入力した人が底本として使用したものが末尾に記載されていますが、その本の出版年が小説の初出年とは限りません。初出はどこかの新聞の連載小説であったり、同人誌であったり様々です。ある表現の変遷を追う場合は、初出年が問題になりますので、気をつけて下さい。

以下にある「ソフトウェア(コーパス用)」の項目を見てください。
 ソフトウェア (自作コーパス用)
KWIC Finder

 使い方
文字列を検索するソフトです。日本語に対応しています。昔はフリー版もあったのですが、現在は有料版しかありません。テキストファイルだけではなく、WORD/EXCEL/PDF等の形式も検索可能です。例えば「〜ので」と「〜から」の違いを研究したり、「〜けど」「ってゆうか」「〜っぽい」「〜らしい」といった特定の文字列(表現)について研究する場合に、その表現の使用例を捜す(検索する)のに便利です。「5ちゃんねる」などの掲示板をコピーし、それをテキスト形式のファイルで特定のフォルダに保存すれば、すぐに検索できます。このアプリは、コーパスそのものではなく、あくまでも大量のテキストデータを一気に検索して表示するものですから、検索対象のデータは(青空文庫からダウンロードしてくるなり、5ちゃんの掲示板をコピペしてテキスト形式で大量に保存しておくなどして)自分で用意する必要があります。
使い方のビデオはこちらです。昔のフリー版の画面ですが、基本は似ています。初期画面が小さいので、「フルスクリーンモード」にして見て下さい。フルスクリーンモードのボタンが分からない場合はこちらを見て下さい。


日本語KWIC索引生成ソフトウェアKWIC 上記の KWIC Finder と同じようなことが出来ます。インターフェイスが難しそうですが、マニュアルに沿ってやれば大丈夫です。ただし、KWIC Finder と同じように、検索対象となるテキストデータは自分で用意し、どこかのフォルダに入れておく必要があります。


KH Coder 上のKWIC Finderよりも高度な内容分析(計量テキスト分析)が出来るテキストマイニングのためのフリーソフトウェアです。Chasenを利用した形態素解析をしてくれるのが魅力。品詞や活用形で、前後関係を指定して検索できるようになるので、特定の文字列が決まっていなくても検索できて便利です。文系人間にはハードルの高いクラスター分析などにも使えるらしいですが、こちらは統計学的な知識が必要なので、ちょっと厳しいかな。地道に数えて下さい......f(^_^;)


 ソフトウェア (ユーティリティ)

 研究機関、統計など
文化庁   国語施策・日本語教育 国語に関する世論調査
  (上でも紹介したので説明は割愛)

文化審議会国語分科会
ここで議論・審議した色々な問題についての答申・報告書が掲載されています。また、各小委員会の議事録もあります。これら答申や報告書に記載されている事柄は、
みなさんのゴールではありません。 主体的に考えるための出発点です。
独立行政法人国立国語研究所 日本語に関する情報が満載です!
データベース集 トップページ)
日本語情報資料館
言葉に関する新聞記事データベース ←見出し(目録)のみ
国立国語研究所報告(電子化報告書)一覧
国語学研究文献検索
『日本言語地図』地図画像
『日本言語地図』データベース
「学校の中の敬語」調査報告
よくある「ことば」の質問

 書 籍 (論文の書き方)
戸田山 和久: 論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス) 戸田山 和久: 論文の教室―レポートから卒論まで (NHKブックス)
論文って何? レポートって何? そんな悩みは大学生の誰もが一度は感じる疑問ですが、その疑問に見事に答えてくれるのがこの本です。実例が紹介されていて、とにかく分かりやすい。語り口調が軽快で、要点がスイスイと頭に入ってきます。学生のレポートを採点することでストレスを溜めている教員も、きっと共感できます(笑) だから学生は絶対読んでおきましょう。

 書 籍 (文章作成)
本多 勝一: 日本語の作文技術 本多 勝一: 日本語の作文技術
もう20年以上前の本になっちゃうんですね......。でも良いものは時代を超えて受け継がれます。新聞記者・ジャーナリストである著者によって書かれた解説は、まさに理路整然。目からウロコを落としたのは私だけではないはず。(ただし、卒業論文の書き方とは違いますよ。)