法政大学 文学部 尾谷研究室 〒102-8160
東京都千代田区富士見2-17-1


論文/雑誌記事データベースの使い方 (by尾谷)

文献を探すには、以下のようなデータベースがお勧めです。

  ・ 日本語研究・日本語教育研究文献データベース (国立国語研究所)
  ・ NDL-OPAC (国立国会図書館)
  ・ J-STAGE (国立研究開発法人 科学技術振興機構)

ただし、それ以外にも様々な文献データベースがありますので、1つだけで済ませるのではなく、複数のデータベースを利用して情報を集めて下さい。



1.各データベースの操作解説 (動画で)


  以下に、それぞれのデータベースの使い方を説明した動画を貼っておきます。クリックして閲覧して下さい。



     CiNii         MAGAZINE PLUS     Japan Knowledge
    

※ 初期画面が小さいので、「フルスクリーンモード」にして見て下さい。フルスクリーンモードのボタンが分からない場合はこちらを見て下さい。





2.OPAC/CiNii/MagazinePlusの違いは?


  OPACで図書館に所蔵されている本を調べることについては、よもや知らない学生はいないでしょう。本のタイトルや著作者から検索できます。しかし、タイトルや著者名でしか検索できないということは、
その本の中にどんなことが書かれているかは分からないということでもあります。雑誌についても、雑誌名で検索はできるますが、その雑誌にどんな記事や論文が掲載されているのかまでは検索できません。実際に本を手にとって、開いて、読んでみなければ分からないなんて、情報検索としては非常に物足りない。 「○○○についてもっと深く調べたいのに、どの本を読めばいいのか分からない。。。。」という学生の声をよく聞きますが、本のタイトルだけではドンピシャ(死語?)の文献がなかなか見つかりません。

そこで必要になるのが 
MAGAZINE PLUS(マガジンプラス)CiNii(サイニー)です。

以下に、OPACとの違いを簡単にまとめておきましょう。
 
図書館のOPAC検索 MAGAZINE PLUS CiNii(サイニー)
検索対象 図書館に所蔵されている書籍と雑誌 学術雑誌に掲載された論文、および一般誌に掲載された記事 学術雑誌に掲載された論文
検索方式 書籍名、著者名、出版年、出版社など キーワード(論文・記事名)、著者名、出版年、収録雑誌名 キーワード(論文名)、著者名、出版年、収録雑誌名
メリット ヒットした書籍は、かならずその図書館に所蔵されている。(運悪く貸し出し中かもしれないけど。) 学術論文や一般雑誌記事をキーワードで検索できる。例えば学会誌や大学紀要といった学術雑誌は勿論、月刊『言語』や『日本語学』といった準学術雑誌、さらには『東洋経済』や『週刊朝日』といった商業雑誌に掲載された論文/記事がヒットするので、必要な情報に関する論文がピンポイントでヒットする。勿論、その論文の収録雑誌名、巻号、掲載ページなども分かる。 学術論文をキーワードで検索できる。この点はMAGAZINE PLUSと同じだが、CiNiiのメリットはヒットした論文がオンラインで読めてしまう可能性がある点。著作権の都合上、公開されている論文はそれほど多くないし、半分くらいは有料会員じゃないと読めないが、それでもオンラインで読める魅力は大きい。今後ますます拡充されていくサービスだろう。
デメリット 書籍名(本のタイトル)でしか検索できないので、その書籍の内容までは分からない。例えば「若者ことば」で検索しても、本のタイトルの一部に「若者ことば」が入っていなければ、ヒットしない。勿論、学術論文は書籍ではないため、どうあがいてもヒットしない。 ヒットした論文を掲載している雑誌が、自分の大学の図書館に所蔵されているかどうか分からないので、OPACで再度検索する必要がある。大学の紀要などはあまり所蔵されていないため、論文を入手するには「複写依頼」を行うか、所蔵図書館への紹介状を書いてもらう(=その図書館まで自分で行く)必要がある。でも、文献が見つからないよりはマシ。 ヒットする文献の種類が少ないことくらいでしょうか。オンラインで読めない論文も多いですが、読めるだけラッキーなんだからデメリットとは言えません。その場合は図書館で「複写依頼」を出しましょう。強いて言えば、有料論文をなんとかしてほしい。論文は営利目的じゃないのに。

MAGAZINE PLUSCiNiiでは、既に発行されている雑誌に掲載されている記事や論文のタイトルから検索できるため、極めてピンポイントで必要な情報(つまり論文)を検索できます。大学のように、専門的な勉強/研究をする場では、これらのデータベースは必要不可欠です。勿論、卒業論文を執筆する際にも欠かせません。

今回はその中でも特に
MAGAZINEPLUSに絞って、その基本的な使い方について紹介します。CiNii(サイニー)も基本的にはこれと同じように検索できますので、各自で挑戦してみてください。





3.注意事項


  • 文献を探す時は、1つのキーワード(例えば「若者ことば」)だけで調べて、「ちぇっ、全然文献無いよ」と諦めるのではなく、考えられる限りのキーワードをスペースで区切って複合検索して下さい。例えば、「言葉 変化」、「日本語 変化」、「変わる 日本語」、「変わった 日本語」、「変な日本語」、「最近 気になる 日本語」、「若者 特徴 日本語」、、、、など他にも色々あるはずです。厳しいことを言いますが、たった1つのキーワードを調べただけで、「探したけど、ありませんでした」と簡単に言うような人は、意欲が低い/言い訳ばかりする/不真面目な/発想が貧困な/情報収集能力の低い/使えない人間、と思われてしまいます。企業が採用したい人材は、見つからななくても、「じゃ、やり方を変えて、再度チャレンジしよう!」という柔軟性と前向きな意欲を持った人物です。ましてや、現代の若者は、高校生の頃からケータイでネットやるのが常識という世代ですから、そういった柔軟な情報検索ができない人は情報弱者と見なされてしまいます。とにかく、簡単に諦めないで、徹底的に探しましょう。
  • このMAGAZINEPLUSは、法政大学の図書館の所蔵データではないので、お目当ての論文(を掲載している雑誌)が必ずしも図書館に所蔵されているとは限りません。つまり、ヒットした論文/記事を掲載している雑誌が、法政大学の図書館に所蔵されているかどうかを図書館のOPACで調べなければいけません。(ちょっとメンドーですが、仕方ありません。)
  • もし所蔵されていない場合は、「文献複写依頼」という制度があります。要するに、お目当ての雑誌を所蔵している図書館を調べて、そこにコピーして郵送してくださいと依頼するわけです。費用はもちろん実費が必要になります。(郵送料も必要です。) 申し込みはとっても簡単! カウンターの司書さんに言えば、すぐに申し込み用紙をもらえるので、記入してカウンターに渡すだけです。
  • ちなみに、図書館の人に紹介状をもらい、他大学の図書館へ行って閲覧することもできます。私は大学4年生のときに、獨協大学、東京大学、明治学院大学、東洋大学、早稲田大学などの図書館へ行ったことがあります。特に明治学院大学の図書館にはお世話になりました。近かったし、レアな文献も多かったし。
  • いずれにせよ、良い卒論を書くためには(というか、普通に論文を書くときには)そうやって文献を集めるのが常識です。この手間を惜しんで、学内の図書館で入手できる文献のみを使って卒論を書こうなんて虫が良すぎます。専門的な文献を読まないで書いた卒論なんて、しょせんは子供の感想文と同じです。
  • MAGAZINEPLUSは大学が所有しているデータベースではなく、あくまでも契約してる情報提供サービスなので、必ず「ログアウト」する必要があります。(最初に「ログイン」してるんだから当然ですよね!) メイン画面の右上に「LOG OUT」ってボタンがあるので、そこを忘れずクリックして終了してください。

   メールはこちら Copyright(c)2003- Masanori Odani. All rights reserved