「静岡の街」


 静岡は予想がつきやすい街であった。駅前に立つと、広場は工事中で、その向こうに松坂屋がみえた。案内の地図をみると、道幅の広い御幸通りがあって、そこをまっすぐ行くと右手に県庁がある。たぶんこの通りが表の顔になるだろう。御幸通りに並行して左側に呉服町通りがある。そこには伊勢丹があるので、たぶん呉服町通りが人の一番通る道ではないかと想像した。呉服町通りの左手地区に店がいろいろ書き込んであったので、たぶんその地域が歓楽街ではないかと推測した。
 とりあえず御幸通りから城跡に向かった。城跡の大手門があるところに県庁の建物があった。その建物を回り込んで駿府公園に入った。再び大手門から出て進むと、「札の辻」という石碑が建っていた。呉服町通りと七間町通りが交差する場所であり、昔は辻のところに高札場があったと記されていた。そこがいまでも街一番の繁華街である。

(『プロアトラスSV』を加工)


 七間町通りと並行で駅寄りの方に北街道(江川町通り)がある。それが自動車道路である。北街道と七間町通りに挟まれた区間にある呉服町通りが街一番の表の顔になっている。呉服町通りに並行して左側に両替通りがある。そこにスナック街がある(地図でピンクに記したところ)。地図上に赤矢印で人の主たる流れを示してあるが、呉服町通りの流れから見ても、七間町通りの流れから見ても、歓楽街は左方向の地域に位置する。
 七間町通りと北街道の間に青葉シンボルロード(青葉通り)を造っているが、これは公園的な機能でそれ以上のものではなかった。七間町通りを進んでいくと昭和通り(国道362号線)に交差し、その先がシネマ通りになる。映画館があったが、それ以上の繁華街ではなかった。その先にも商店街は続いていたが、繁華街という賑やかさはなくなっていた。あとで市史をみると、昭和初期になるまで七間町通りは行き詰まりであった。城下防衛のため寺が列んで建っていたからである。したがって昔の東海道は、その手前で右折している。現在は、七間町通りが貫いており、寺を移した跡地には常磐公園がある。
 七間町通りを進んでいったので、初めのうちはスナック街が見つからなかった。昭和通りを越えたところにスナック街があるかと思ってみたが、やはりなかった。昭和通りの方から戻ると「青葉横丁」があり、そこに少しスナックがあった。しかし、これではあまりにも少ない。当初予想したように、呉服町通りと七間町通りからみて左方向の地域に行ってみた。北街道に面したドンキホーテ店から青葉シンボルロードまでの間の両替町通りにスナック街があった。それがナイトスポットである。

 人の主たる流れは、駅を出て御幸通りを行き、北街道を左折、さらに右折して呉服町通りを進み、札の辻まで行く。そこを左折して七間町通りを昭和通りまで進む道である。駅からいきなり呉服町通りに歩いていく人も多い。これは旧東海道そのものである。