損害保険会社は金融機関の中では最も早い段階から環境経営の考え方を取り入れている。そして、今回調査対象とした損害保険会社各社は、ISO14001の認証取得をしている。その取得理由は様々であるが、各社とも「紙・ゴミ・電気型」の取組みから、より本業に近い活動へシフトしようとしていることがヒアリング結果から明らかになった。また、最近ではCSR(Corporate Social Responsibility)という概念が注目されているが、よく近江商人の「三方よし」の例が挙げられるように、この概念は特別なものではない。ISO14001の中では「環境」という言葉を「大気、水、土地、天然資源、植物、動物、人及びそれらの相互関係を含む組織の活動を取り巻くもの」と定義しており、「環境」をこのような広い概念で捉えるのならば、各社が取り組んでいる環境経営とCSRは同義である。