高校キャリア教育の持続的効果
対象:大学1年生1,830名(関東私立大学)
手法:高校での経験とCAVTスコアの関連分析
測定:アクション得点・ビジョン得点の群間比較
Key Findings
- 持続的効果の確認:高校でのキャリア教育経験者は大学入学後もキャリア意識が有意に高い
- 実践型学習の優位性:職場体験・面接練習・就活対策がアクション得点向上に最も効果的
- コミュニケーション教育の包括的効果:マナー・コミュニケーション授業は行動力・ビジョン両方に寄与
- 記憶残存度の高い活動:進路面談(81.0%)、進路計画授業(68.7%)、進路相談(57.0%)
田澤実・梅崎修(2023)「高校時代のキャリア教育の経験と大学新入生のキャリア意識―持続性の観点から―」『生涯学習とキャリアデザイン』20(2), 83-96
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大学キャリア教育の即効性測定
対象:「キャリアデザイン入門」受講者1,900名
手法:授業前後のCAVTスコア変化を追跡(縦断調査)
補正:脱落ウェイトによる選択バイアス調整
Key Findings
- 全体的向上の確認:ビジョン得点+1.97、アクション得点+1.36の有意な向上
- ジェンダー差の存在:女性の方がビジョン得点の向上幅が大きい傾向
- 年齢効果:20歳以上の学生は初期値・向上幅ともに高い水準
- 志望度による差異:第二志望入学者が最大の向上(アクション+2.00)
- スポーツ推薦の特性:初期値は高いが教育による変化は限定的
瀬戸健太郎・田澤実・梅崎修・武石恵美子・坂爪洋美(2023)「キャリアセンターが提供するキャリア教育科目の効果測定―CAVTを用いた検討―」『生涯学習とキャリアデザイン』20(2), 69-81
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継続受講による累積効果の検証
対象:入門→応用の継続受講者(全体の15%)
手法:継続受講者と単発受講者の効果比較
分析:セルフセレクション要因の統計的考慮
Key Findings
- 累積効果の限界:継続受講による明確な上乗せ効果は統計的に確認されず
- 補償的受講パターン:キャリア不安を感じる学生が応用科目を選択する傾向
- 男性の継続要因:アクション得点の向上を体験した学生ほど継続受講
- 2年生の特徴:行動力は向上するが目標設定の曖昧さが残存
- 逆説的選択:効果を実感した学生ほど継続受講しない傾向
瀬戸健太郎・梅崎修・田澤実(2024)「キャリアセンターが提供するキャリア教育科目の効果測定(2)―入門から応用へ―」『生涯学習とキャリアデザイン』21(2), 115-129
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ジェンダー別キャリア観変化の質的分析
対象:大学生1,389名の自由記述データ
手法:テキストマイニング(KH Coder)による質的分析
分析:共起ネットワーク・ライフキャリア言及率
Key Findings
- 男子の変化:「実績」「成長」重視へシフト、家庭関連語彙の減少
- 女子の変化:ライフ・ワーク統合的視点の深化と言語化能力向上
- ライフキャリア意識格差:女子12.11% vs 男子5.75%(統計的有意差)
- 無意識的メッセージ効果:男子は「稼ぎ手モデル」、女子は「両立前提」の内面化
- 教育設計の盲点:ジェンダーロール再生産リスクの存在
九鬼成美・梅崎修・田澤実(2024)「学部横断型キャリア教育が大学生のキャリアイメージに及ぼす影響:ジェンダー分析を通して」『生涯学習とキャリアデザイン』21(2), 103-113
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社会的価値志向への予期せぬ影響
対象:大学1・2年生805名(男子347名、女子458名)
手法:競争・達成志向と利他・共感志向の前後比較
理論:Van Lange(2000)の社会的価値志向理論
Key Findings
- 男子学生:両志向とも統計的に有意な変化なし
- 女子学生の変化:利他・共感志向の有意な低下(競争志向は不変)
- 戦略的共感抑制:自律促進教育による他者距離感の調整
- 現実適応反応:厳しい就職環境認識による防衛的価値観変化
- 副作用の存在:キャリア教育が予期しない価値観変化を誘発
田澤実・九鬼成美・梅崎修(2025)「大学生の社会的価値志向は変化するのか―キャリア教育の効果検証―」『生涯学習とキャリアデザイン』22(2), 113-119
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