法政大学 文学部 尾谷研究室 〒102-8160
東京都千代田区富士見2-17-1

出張講義(出前講義)可能テーマ例


基本的には高校1,2年生を想定していますが、講義テーマによっては中等部向けにアレンジもできます。
詳しくは尾谷(メールアドレスまでお問い合わせ下さい。

「外国人から見た日本語の特徴」
 外国人からみた日本語は、我々日本人が無意識のうちに見過ごしている不思議の宝庫です。例えば、「楽天が勝った」という文の「楽天が」は誰がみても主語ですが、「私はカレーが好きだ」という場合の「カレーが」も主語でしょうか。英語的発想では、目的語は「〜を」と和訳されますが、「私はカレーを好きだ」という日本語はちょっと変ですね。このような事例を手がかりに、新鮮な目で日本語を見つめ直します。

 大学生・社会人になってから必要とされる文章力
 どの学部に入学するにしても、どんな企業に就職するにしても、論理的な文章を書く力は常に必要とされます。大学入試の小論文はもとより、入学後にはレポート課題や論述式試験問題に立ち向かわなければなりませんし、就職後も様々な報告書や企画書を書かなければいけません。そのためには、単なる暗記力だけではなく、論理的で分かりやすい文章を書く力が欠かせません。社会人として活躍するために必要な基礎能力を、経済産業省は「社会人基礎力」としてまとめましたが、その三本柱の1つが「考えぬくチカラ」であり、論理的思考力(およびそれを文章化する能力)はこの中に分類されています。本講義では、論理的な文章を書くポイントについて、いくつかの実例を紹介しながらお話します。

 「ことばの乱れ vs 言語学」
  みなさん「違かった」という言葉を書いていませんか? これが悪いと頭ごなしに否定するつもりはありませんが、こういった言葉遣いに嫌悪感を覚える中高年もまだまだ数多く存在します。これは言葉の乱れなのでしょうか? 言葉の乱れを嘆く大人は多いですが、乱れと変化は違います。この両側面を持ち合わせた非常に面白い例が若者ことばです。若者ことばが生まれる背景と、それが嫌われる原因について社会言語学的な視点から解説します。若者に説教するつもりは毛頭ありません。身近なことばいついて考え直してみる楽しさを味わってもらうのが主眼です。時間があれば「全然いい」のような表現が生まれた背景についても触れたいと思います。

「文学作品の表現を、言語学的に分析すると?!」
 小説、詩、和歌といった文学作品には、筆者が考えに考え抜いた日本語表現の集合体です。中学・高校の国語の授業では、その解釈についてあれこれと議論することはあっても、言語学的に分析する経験は滅多にありません。例えば、「ちるさくら 海あをければ 海へちる」という高屋窓秋の有名な句がありますが、「ちるさくら」を「さくらちる」としてはいけないのでしょうか。文法構造がちょっと違っただけで、どういった意味の違いが生まれるでしょうか。また、「海へちる」を「海にちる」としても大差ないように思われますが、「に」と「へ」にはどんな違いがあるのでしょうか。本講義では、こういった視点から文学先品の一節を深く掘り下げ、言語学的な視点から分析することで、言葉の解釈の奥深さを味わってもらいます。

「敬語からはじめるコミュニケーション論」
  「こちらトンカツ定食になります」や「〜でよろしかったでしょうか?」といった安易なマニュアル敬語が氾濫しています。これらのどこがマズいのでしょうか? どうして誤った言葉づかいが生まれたのでしょう? どう言えば正しく美しい言葉遣いになるのでしょう? つい使ってしまう変な言葉をはじめ、謙譲語と尊敬語の混同といった根深い問題まで幅広く取り上げます。時々クイズも挟みますが、最終的には言語学やコミュニケーション理論(特にポライトネス理論)の視点から日本語の敬語について考えます。

「国語で習う文法がつまらない理由」
 文法の授業って、品詞を覚えたり、活用を覚えたり、助動詞の意味を覚えたり、、、、と嫌なイメージしか残っていない人が多いのではないでしょうか。かくいう私も、中学・高校の時はそんなイメージでした。しかし、大学できちんと言語学や日本語学を学ぶと、それは大きな間違いだったことに気づきます。学校文法にも種々の問題点があるにもかかわらず、何が問題なのかも分からないまま暗記しているからつまらないのです。例えば、「です/ます」は「丁寧の助動詞」とされます。しかし、「食べます」とは言えても、「食べるです」とは言えません。つまり、「です」は「助動詞」でありながら、動詞と一緒に使うことが出来ないのです。「です」は、「私は学生です」のように名詞に接続しますが、これを英語に直訳すると、"I am a student."の"am"に相当する………と中学で教えられた人もいるのではないでしょうか。でも、"am"はbe動詞と呼ばれ、助動詞では決してありません。一体「です」は何者なのでしょうか。この講義では、そんな問題点をいくつか紹介し、皆さんと一緒に学校文法の問題点を考えたいと思います。毎週大学でこんなことを考えていれば、いずれ自ら考える楽しさに目覚めるはずです。

「日本語の発想、英語の発想 〜文化論的視点から〜」
 英語で自分のことを指す言葉は’I’だけなのに、日本語には「わたし/わたくし/僕/俺/自分/手前/こちら」など様々な語が存在するのは何故でしょうか。「(私は)疲れた」という場合に、英語では”I’m tired.”のような受身文になるのは何故でしょうか。こういった違いを冷静に分析すると、各言語文化圏の社会構造の違いや発想の違い、ひいては文化の違いが浮き彫りになります。

「ハンバーガー」から見た言葉の不思議
  「ハンバーガー」という語を2つに分解して下さいと言われたら、たいていの人は「ハンバーグ」と「アー(英語の-er)」に分けるでしょう。しかし、「チーズバーガー」はどうでしょうか? モスバーガーにある「ロースカツバーガー」はどうでしょうか? 単語の切れ目を手がかりに、ことばの再構造化について紹介します。英語の”be going to 〜”というイディオムも、実はこの再構造化で生まれた表現なんですよ。

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